約200万人のデータを分析した大規模な研究で、ADHDと診断された人は、定型発達の人と比べて、消化器の症状が出る確率が48%高いことが分かりました。特に、便秘になる確率は97%高く、下痢になる確率は118%も高くなっていました。
論文の筆頭著者であるサラ・ブレイク氏は、調べたほぼすべての腸の症状が、ADHDと関係しているように見えたと述べています。具体的には、腹痛になる確率が88%、下痢や便秘をくり返す過敏性腸症候群が58%、消化不良も52%増加していました。ブレイク氏は、これらの症状は日常生活に深刻な影響を与える可能性があるものの、ADHDそのものにばかり注目していると見過ごされがちだと指摘しています。
ADHDの人がこうした症状を経験しやすい理由としては、いくつかの可能性が挙げられています。まず、ADHDに伴うストレスの増加などが、胃腸の感受性を高めている可能性が指摘されています。また、不規則な食事や、砂糖の多い食品を好んで食物繊維をとらないといった偏った食生活も、腸内細菌のバランスを崩して便秘などを引き起こす原因になるとみられています。ほかにも、ADHDの治療薬や睡眠障害、さらには「腸と脳のネットワーク」が影響している可能性もあります。
論文の共著者で、ウォーリック大学のサラン・シャンティクマール博士は、ADHDがこれらの消化器の問題を引き起こしているとは断言できず、その正確な原因もまだ特定されていないと説明しています。しかし、このパターンは注目すべきほどはっきりしていると述べました。そして、ADHDの患者を診察する医師は、特に生活の質に影響が出ている場合、消化器の症状について尋ねることを検討すべきだと呼びかけています。