パソコンやスマートフォンなどのデジタルツールでニュースや資料を読む機会が増える中、日本語の特徴である「縦書き」で文章を読み書く機会が減っています。文化庁が発表した2025年度の「国語に関する世論調査」によると、日常的に縦書きで読み書く機会が「あまりない」「ない」と答えた人が31.7%となり、3割を超えていることがわかりました。
この調査は、全国の16歳以上の6000人を対象に行われ、3777人から回答が得られました。年代別で縦書きに接する機会が「よくある」「時々ある」と答えた割合が最も高かったのは16〜19歳で、79.5%に上りました。これは本人の意思というよりも、学校の国語や古文の教科書で縦書きの文章を読む機会があることが影響していると見られています。しかし、20代になるとこの割合は54.8%まで急減し、その後は年代が上がるにつれて増加する傾向を示しました。
縦書きで読む場面(複数回答)では、「紙の本・辞書」が69.6%で最も多く、続いて「紙の新聞」が58.7%、「紙の雑誌」が45.5%となりました。しかし、紙の新聞を読む人の割合は16〜19歳で14.6%、20代で20.0%にとどまる一方、70歳以上では81.6%に達しており、若い世代と高齢者との間に大きな格差が存在しています。
また、国語への関心が「ある」と答えた人や日常的に文字を「手書きする」人は、7割以上が縦書きに接する機会があるのに対し、関心が「ない」人や「手書きしない」人は4割台にとどまりました。新聞や雑誌をデジタルで読む人が増えて世代交代が進むと、日本で長く親しまれてきた縦書き文化はさらに減少していくと予想されています。