宮崎県宮崎市で1969年に創業した「内藤葬祭」が、自宅でペットを見送ることができる訪問火葬事業を本格化させています。人間の葬儀で培った経験をいかし、専用車両による火葬からお骨上げ、遺体を美装する「エンゼルケア」、祭壇の設営まで幅広く対応しています。
事業を始めたきっかけは、動物葬祭ディレクターを務める内藤絢太さんが今年2月に経験した愛猫との別れでした。他社で葬儀を行った際、十分なお別れができなかったと感じた内藤さんは、「人間の葬儀をしてきた自分たちがやることで、しっかりとしたお別れができるのではないか」と考えました。同社は全国でペット葬祭を展開する「ペットの旅立ち」のフランチャイズに加盟し、5月から本格的に事業を開始しました。
同社のサービスの大きな特徴である訪問火葬では、特殊な火葬設備を備えた専用車両が利用客の自宅を訪問します。車内で火葬から収骨までのすべてを行えるため、高齢などの事情で専用施設へ向かうことが困難なペットや飼い主でも、住み慣れた自宅で見送ることができます。有休を取って遠方の施設へペットを運ぶ必要がなく、短時間で葬儀ができる点も評価されており、これまで担当した13件の葬儀のうち約8割が訪問火葬でした。
実際にサービスを利用した宮崎市の夫婦は、17年間ともに過した愛犬を見送り、「感謝の気持ちを伝えることができた」と振り返ります。ペットを家族の一員として捉える人が増える中、お別れを通して心を整理する大切な時間を届ける温かな輪が、宮崎でも静かに広がっています。