秋田県鹿角市は2026年10月1日、市役所の支所が担ってきた窓口の行政事務を市内の郵便局に委託し、5カ所の郵便局で受付を始めました。人口減少によって9月末で5つの支所を廃止したためで、それぞれの支所の近くにある郵便局がサービスを引き継ぎます。自治体の支所機能を郵便局に委託する取り組みは、秋田県内で初めてとなります。
10月1日から郵便局で始まったのは、戸籍謄抄本や住民票の写し、印鑑登録証明書の交付のほか、マイナンバーカードの電子証明書の発行や更新などの事務です。鹿角市では、移動手段が限られる高齢者らにとって証明書の受付窓口が不可欠である一方、支所では1人の担当者がまとまった現金を扱うケースもありました。このため鹿角市は総務省の後押しも受け、2025年5月から日本郵便と協議を進めてきました。
1日には花輪郵便局で「開始式」が開かれ、関係者らが出席しました。日本郵便の斎藤貴・東北支社長は「責任を持って確実に取り扱いたい」とあいさつしました。その後、笹本真司・鹿角市長が窓口で申請の実演を行いました。笹本市長は、支所があったスペースの利用方法について「今後検討したい」と話しました。
日本郵便によると、自治体の支所機能を郵便局が受託するのは東北地方で鹿角市が5自治体目となります。しかし、一度に5つの支所をすべて廃止して委託するのは異例のことです。行政改革を検討するほかの自治体からの相談も寄せられており、人口減少が進むなか、このような委託の取り組みはさらに広がる可能性があります。