早朝からの搾乳や農作業などで自宅を離れられない被災者を支援するため、熊本県は1日、同県氷川町などの敷地に整備した移動式の木造仮設住宅を公開した。10年前の熊本地震では市町村が主体となって取り組んだ例があるが、県が主体となって整備するのは初めての試みで、10月4日から入居が始まる。
対象となるのは、自宅が「全壊」か「半壊」以上の被害認定を受けて解体が必要となり、「敷地の間口がおおむね6メートル以上」などの条件を満たす被災者だ。今回整備された仮設住宅は27平方メートルの木造で、風呂やトイレ、台所、収納棚などを備えている。部屋をカーテンで区切ることもできる。入居期間は2年間で、光熱費は入居者の負担となる。県によると、各自治体からの同様の相談は100件以上に上り、現在は5戸の設置が進んでいる。
牛舎のそばに整備された仮設住宅に入居する酪農家の50代の妻は、「ご飯を炊いたり洗濯したりと、やっと普通の生活ができる」と感謝した。早朝からの搾乳作業のため、これまでは車中や「インスタントハウス」で寝泊まりを続けていたという。また、倉庫で寝泊まりしながら弟の家にもお世話になってきたというイチゴ農家の50代女性も、「やっと迷惑をかけずに済む。一歩前に進めた」とほっとした表情を見せた。