「現代AIの父」と称される人工知能研究者のユルゲン・シュミットフーバー氏が、日本のスタートアップ企業Sakana AIのチーフ・サイエンティフィック・アドバイザーに就任した。同氏は、AIが自らを改良する「再帰的自己改善(RSI)」を研究する新組織「RSI Lab」の指導を担当する。
シュミットフーバー氏は、文章や音声などの系列データを扱うニューラルネットワーク「LSTM」の共同開発者として知られる。同氏とSakana AIのデビッド・ハCEOは、1991年にミュンヘン工科大学で発表した研究が、線形Transformerの原型や教師なし事前学習などの技術的基盤になったと主張している。また、再帰的自己改善を扱った同氏の1987年の学位論文は、自らのコードを書き換えるAIエージェント「Darwin Gödel Machine」などに影響を与えたとされる。
RSI Labは、科学的発見が新しい発見を生み出す再帰的なサイクルによって機械知能を高めることを目指す。同社は今後、行動が物理世界に与える影響をシミュレートする「世界モデル」を開発し、製造業やロボティクス向けの「フィジカルAI」の開発を進める計画だ。
参画に際し、シュミットフーバー氏は「日本はニューラルネットワークの基盤となるアーキテクチャと高度なロボティクスを生み出してきた国であり、この2つの世界の橋渡しを担うべく参画できることを光栄に思います」とコメントしている。同氏は定期的に東京を訪れ、Sakana AIと協働する予定だ。