かつて足し算や引き算などの計算ができるとして有名になった「賢馬ハンス」という馬がいました。ハンスは質問されると、ひづめで地面をたたいて正しい回数で答えを示し、多くの人々を驚かせました。飼い主以外の人が質問しても正解できたため、本当に数学を理解していると信じられていました。
〜として= as / in the capacity of (used here to express being famous 'as' something)〜以外の= other than / except for
しかし、心理学者のオスカー・プフングスト氏らが実験を行うと、不思議な事実がわかりました。質問する人が正解を知らない状態で問題を出すと、ハンスの正答率は大きく下がりました。また、ハンスの視野を狭めて質問者の姿が見えないようにすると、ほとんど正解できなくなりました。
〜状態で= in a state of / under the condition of
プフングスト氏の研究により、ハンスは実際には計算をしているのではなく、質問者が無意識に出すわずかな合図を見極めていたことが判明しました。質問者が少し体を前に傾けると地面をたたき始め、正解の数に達して頭がわずかに上がるとたたくのをやめていたのです。質問者自身も合図を出している自覚はありませんでした。
〜ではなく= not ..., but rather ...
このように、実験者の無意識な動きによって対象の反応が変化してしまう現象は、現在でも「クレバー・ハンス効果」と呼ばれています。この発見は、その後の心理学や科学の実験において、より正確な調査方法を発展させる大きなきっかけとなりました。
〜きっかけとなった= became the catalyst / trigger for