「一緒に出かけると雨が降りやすい」とされる「雨男」や「雨女」の迷信は、果たして本当なのでしょうか。ITmedia AI+の連載記事では、プログラミング言語Pythonとベイズ統計を用いて、特定の人物の存在と天候の間に「独立性(無関係であること)」が成立するかどうかを科学的に検証する方法が解説されました。
この分析では、「雨男であるか」と「天気が雨か晴れか」という、数値ではなく区分で表される「名義尺度」のデータを扱います。データは2×2のクロス集計表にまとめられ、事前分布に「ディリクレ分布」、尤度関数に「多項分布」を利用します。確率的プログラミングライブラリであるPyMCを使ってベイズ推論を行うことで、各カテゴリの生じる確率を推定します。
検証の中心となる指標が「オッズ比(Odds Ratio)」です。オッズとは「ある事象の起こりやすさ」を確率の比で表した数値で、オッズ比はそのオッズ同士を比較したものです。オッズ比が1であれば、雨男の有無と天気は「独立」であり、迷信に過ぎないことが示されます。一方で、オッズ比が1より大きければ雨男がいた方が雨になりやすく、1より小さければ普通の人の方が雨になりやすいことを意味します。
従来の「カイ二乗検定」のような独立性の検定では、「独立か独立でないか」しか分かりませんでした。しかし、ベイズ統計とオッズ比を組み合わせることで、「独立でない場合にどちらの方向へどの程度の効果があるか」まで詳細に把握できるのが大きな利点です。身近な疑問を題材に実践的な分析手法を学ぶことで、データ分析の理解がより深まる内容となっています。