生成AIを使ってプログラムのコードを書く費用が急増し、2028年までにエンジニアの人件費より高くなる可能性があることがわかりました。米調査会社ガートナー(Gartner)が2026年6月に発表した予測によると、AIの活用で費用を削減できると期待する経営者は85%にのぼるものの、投資に見合う効果(ROI)を正確に測定できている企業はわずか14%にとどまっています。
費用が増える主な原因は、AIエージェントが自動で複雑な作業を行う際に、大量のデータや不要な情報まで読み込んでしまうことです。AIの計算量を表す「トークン」の消費が膨むうえ、サービスが定額制から使った分だけ支払う従量課金へ移行していることも影響しています。米金融大手ゴールドマン・サックスは、世界のトークン消費量が2026年から2030年にかけて約24倍に拡大すると予測しています。
また、運用管理ツールを手がけるニューレリック(New Relic)の2026年7月の調査では、AIが生成したコードの品質のばらつきにより、障害対応に業務時間の33%が費やされていることが明らかになりました。さらに、シニアエンジニアによるコードの確認(レビュー)の負担が441%も増加しており、隠れた人件費や運用コストが膨んでいます。
こうした無駄な費用を防ぐため、ガートナーは難しい作業には高性能なAIモデルを使い、簡単な作業には小型モデルを割り振てる「モデルルーティング」や、トークン使用量の上限設定などを提案しています。AIに任せきりにするのではなく、開発タスクの性質に合わせて計画的に運用することが求められています。