在宅勤務(リモートワーク)を中心とする仕事で、月に1日だけオフィスに出社させることで、従業員の仕事の効率や会社への定着率が向上するという研究結果が発表されました。研究チームは、トルコのカスタマーサービス会社で働く248人を対象に、2024年8月から9か月間にわたって「完全リモートワーク」と「月1日出社」の2つのグループに分けて比較実験を行いました。
実験の結果、1時間あたりの電話対応件数は、実験開始から6〜9か月が経過した頃から月1日出社グループで徐々に上昇しました。実験終了時には、完全リモートワークのグループが平均11.5件だったのに対し、月1日出社したグループは平均12.4件となり、生産性が高まりました。平均の通話時間が短縮された一方で、顧客満足度や内部監査のスコアは維持されており、サービスの品質を落とさずに処理速度が向上したことが確認されました。
また、対面での交流によって職場のコミュニケーションが活発になり、離職率が低下しました。完全リモートワークのグループでは累積離職率が21%だったのに対し、月1日出社のグループでは13.7%にとどまりました。出社グループの従業員は、同僚との会話時間が増えたほか、「上司からフィードバックを受けている」「チームのコミュニケーションがうまくいっている」と感じる割合が高くなりました。管理職が優秀な人材の成果を把握しやすくなったことも、離職を防ぐことに役立ったとみられています。
費用対効果の分析では、9か月間の出社にかかった交通費やオフィス代などの費用は約1万3000ドル(約208万円)でした。一方で、離職の防止や生産性向上による経済的メリットは費用のおよそ5倍に達し、十分な効果があると示されました。ただし、今回の研究は業務内容が揃ったカスタマーサービスを対象にしたものであり、他の業種でも同様の効果が出るかはさらなる調査が必要だとされています。