市販の防犯カメラを使って野鳥を自動で識別するシステムを構築した事例が話題となっている。タッカー氏が手がけたこのシステムは、すべての処理をローカルのハードウェア上で実行するため、クラウドサービスやAPIの呼び出しを必要とせず、月額料金もかからない。AIモデルはローカルサーバーやRaspberry Pi上で動作し、高速かつプライベートに運用できるのが特徴だ。
システムの中核となるのはBirdNET-Goで、RTSP(Real Time Streaming Protocol)に対応したカメラのストリームURLを指定するだけで利用できる。初期設定のBirdNET 2.4では6000種の鳥類を検出可能だが、Google Perch v2へ変更すると1万4795種まで検出能力を拡張できる。珍しい野鳥が飛来した際のアラート通知は、プッシュ通知のほかDiscordサーバーにも送信可能だ。また、初めて訪れた野鳥を記録・追跡する機能により、庭の生物多様性の変化を時間経過とともに観察できる。
さらにBirdNET-Goは、観察データを共有するコミュニティプラットフォーム「BirdWeather」との連携や、MQTTを経由したHome Assistantとの接続にも対応している。対象は鳥類にとどまらずコウモリやカエルの鳴き声も検知し、近所の人が家の前を通りかかった際のおならまで検知されたという。タッカー氏はさらに、Docker上で動作するセルフホスト型ディスプレイ「Saezuri」を導入した。検出された野鳥の種類に応じた木版画風コラージュ画像が数分で生成され、フロントエンドとして大いに満足しているが、Saezuriが「おなら」の画像を探している様子がログに残っている点が少し気にかかると語っている。
当初は一時的な好奇心からシステムを構築したタッカー氏だが、日々の利用を通じて野鳥の行動パターンを学んだり、それまで知らなかった地域の野鳥を発見したりする楽しみを見出したという。防犯カメラが単なるセキュリティの域を超えた実用的なツールへ進化したと語り、マイク付きのカメラと鳥類への関心があれば、日常生活の質を向上させるためにBirdNET-Goの導入を試す価値は大きいと結んでいる。